ゲーム『ポケットモンスター』は、20年以上続く、大人気シリーズです。作品タイトルが多いため、発売された時期やゲームシステムごとに区切って、第○世代という言い方をする場合があります。公式用語ではありません。
今回は、ゲーム『ポケットモンスター』の世代ごとに、通信面や対戦面の変化、世代間のポケモンの移動について解説します。
ポケモンの世代の概要
世代は、通信やポケモンの種類、道具などのゲームシステムの面から分類されています。世代の異なる作品では互換性が低いのが特徴です。
例えば、第一世代と第二世代では双方向にポケモン移動が可能ですが、第二世代と第三世代ではデータの互換性がありません。また、第三世代以降では、旧世代から新世代に向けてのポケモンの移動は可能ですが、逆は不可能です。
対戦面では、世代が変わると、新しいバトル形式や新タイプの追加など、大きな変更があります。また、既存の技・道具・特性などにも修正・変更が入り、実質的に前世代とは別の対戦環境になります。
世代ごとのソフト一覧
各ソフトと世代の関係は次の表のようになります。世代の下の数字は、ソフトの発売年です。
世代 | 本編ソフト | 対応ハード |
第一世代 1996~1998 |
赤・緑・青・ピカチュウ | ゲームボーイ |
第二世代 1999~2000 |
金・銀・クリスタル | ゲームボーイカラー |
第三世代 2002~2004 |
ルビー・サファイア・エメラルド・ ファイアレッド・リーフグリーン |
ゲームボーイアドバンス |
第四世代 2006~2009 |
ダイヤモンド・パール・プラチナ・ ハートゴールド・ソウルシルバー |
ニンテンドーDS |
第五世代 2010~2012 |
ブラック・ホワイト・ ブラック2・ホワイト2 |
ニンテンドーDS |
第六世代 2013~2014 |
X・Y・ オメガルビー・アルファサファイア |
ニンテンドー3DS |
第七世代 2016~2018 |
サン・ムーン・ ウルトラサン・ウルトラムーン |
ニンテンドー3DS |
Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ | Nintendo Switch | |
第八世代 2019 |
ソード・シールド・ 鎧の孤島・冠の雪原 |
Nintendo Switch |
世代ごとの違い
細かく見ていくとキリがないので、大きな変化点のみ、主に、後の世代でも採用されているものを以下にまとめます。
ただし、Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイは他のシリーズとはシステムが大幅に異なるため、ここでは除外します。
第一世代
記念すべき初代。様々なポケモンを集めて図鑑の完成を目指し、強いポケモンを育てて最強のトレーナーを目指すという展開は、その後のシリーズでも受け継がれています。
ピカチュウ版では、ピカチュウがボールに入らず主人公の後ろを突いてくる、連れ歩きのような機能がありました。
現在、ニンテンドー3DSでバーチャルコンソール版が発売しています。
通信機能
通信ケーブルによって、1人の相手とゲームボーイ同士を接続して、対戦や交換が可能です。今でこそ当たり前になっている通信機能ですが、当時は他のゲームに無い、画期的な要素でした。
画像は私が20年ぶりに引っ張り出してきた通信ケーブルです。
第二世代
ゲームボーイカラーにハードが変わり、ポケモンに色が着きましたね。
前作の3年後が舞台となっており、ジョウト地方を旅したのち、初代のカントー地方を冒険できるボリュームの大きさに驚いたものです。また、クリスタル版以降のソフトでは、主人公の性別が選べるようになりました。(金・銀では選べません)
こちらも現在、ニンテンドー3DSでバーチャルコンソール版が発売しています。
前世代からの変更点
システムとしては、以下の点が変更されました。
- 時間の概念や、ポケモンの「なつき度」が追加され、特殊な条件で進化するポケモンが登場。
- 色違いやポケモンの性別、タマゴが追加。
- ステータスの「とくしゅ」が「とくこう」「とくぼう」へ分離。
- タイプ相性が一部変更され、あくタイプ・はがねタイプが追加。
- ポケモンの「もちもの」が追加。
通信機能
第1世代と同じく、通信ケーブルによって、1人の相手と、対戦や交換が可能です。また、赤外線通信で、「ふしぎなおくりもの」により、アイテムを受け取ることができます。
世代間の移動
第1世代とは互換性があり、通信交換によってポケモンを移動することができます。
当時、私はゲームボーイポケットとゲームボーイカラーをつないで、1人でポケモンを交換していた思い出があります。
第三世代
ハードがゲームボーイアドバンスに代わり、以前のシリーズとは繋がりを断った、全く新しいものになりました。特性やダブルバトルの登場など、今に至るポケモンバトルの土台を作った世代です。
また、赤・緑がファイアレッド・リーフグリーンとしてリメイクされましたね。
前世代からの変更点
- ポケモンの「せいかく」「とくせい」が追加。
- ダブルバトルが追加。
通信機能
アドバンス専用の通信ケーブルでは、最大4台で通信が可能です。これにより、2対2でのマルチバトルも可能となりました。
画像は私が15年ぶりに引っ張り出してきた通信ケーブルです。接続プラグに1Pと2Pがあり、ケーブルの中央のコネクタに別のケーブルの1Pプラグを接続できます。
世代間の移動
前世代とは互換性がなく、ポケモンを移動することはできません。
第四世代
ニンテンドーDSでのソフトとなり、上下の2画面を使った遊び方ができるようになりました。
また、金・銀がハートゴールド・ソウルシルバーとしてリメイクされ、ゲーム内でポケモンの「連れ歩き」が可能でした。
前世代からの変更点
- これまでタイプ依存だった「ぶつり」技・「とくしゅ」技が、技ごとに決められた。
- フレンドコードを交換した人と、通信交換や対戦が可能。
- GTSにより、世界中の人と交換が可能。
通信機能
DSの無線通信機能により、ケーブルを介さず、無線での対戦・交換が出来るようになりました。また、Wi-Fiコネクションを用いてのインターネット対戦もこの世代で初めて実現しました。
世代間の移動
第三世代以前との通信は基本的に不可能です。しかし、ニンテンドーDSはゲームボーイアドバンス用のソフトも差せるようになっていて、第三世代のソフトのポケモンをこちらに移動させる事は可能です。
第五世代
従来シリーズから大きな革新があり、初めてポケモンに触れる人でも楽しめる作りになっています。
ブラック・ホワイトでは、殿堂入りするまでは過去作に登場したポケモンは登場せず、捕獲する事も出来ません。そのため、従来シリーズに慣れ親しんだプレイヤーも、手探り状態で、新しいポケモンとの出会いを楽しめるようになっていました。
前世代からの変更点
- フィールドに奥行きがあり、より立体的な表現になった。
- ポケモンのグラフィックはドット絵だが、常時一定のアニメーションをする。
- 隠れ特性が追加。
- わざマシンが何回でも使える。
- トリプルバトルとローテーションバトルが追加。
- ランダム通信対戦の追加
- バトルボックスの追加
隠れ特性とは?
隠れ特性とは、通常のプレイでは手に入らない、珍しい特性のことです。
隠れ特性のポケモンを捕まえるためには、ポケモンドリームワールド(PDW)という、ブラック・ホワイトと連動しているウェブサイトでミニゲームをする必要がありました。
PDWを使うには、ブラック・ホワイトのゲーム内でポケモンを寝かしつける必要があるため、夢で出会える特性から、プレイヤーの間では夢特性と呼ばれました。
バトルボックスとは?
対戦に使用するポケモンを預けることで、手持ちを入れ替えずに、預けたポケモンで対戦を行える機能です。
通信機能
赤外線通信に対応し、「すれちがい通信」が可能になりました。また、Wi-Fi通信によって、通信対戦のポケモンバトルにランダムマッチが導入され、この世代以降、世界中の人と対戦可能になりました。
世代間の移動
DSを2台使うことで、第4世代のポケモンを、第5世代に移動することができます。ニンテンドーDSとニンテンドー3DSを使って、せっせと1人でポケモンを移動させていた思い出があります。
第六世代
ニンテンドー3DS専用ソフトとなり、ゲーム画面も3Dになりました。これにより、斜め移動が可能になりました。X・Yは、シリーズで初めて、世界同時発売されたタイトルです。
ルビー・サファイアのリメイク版である、オメガルビー・アルファサファイアも発売されました。
前世代からの変更点
- ポケモンの鳴き声が変更。
- 主人公の服装や髪形を変更可能。
- 戦った後の経験値が、手持ちポケモンすべてに入るように変更。
- タイプ相性が一部変更。
- フェアリータイプが追加。
- メガシンカが追加。
- 群れバトルとスカイバトル、さかさバトルが追加。
- ミラクル交換が追加。
世代間の移動
3DSのダウンロードソフトのポケモンバンクを使うことで、インターネット上の自分専用のボックスに、合計3000匹のポケモンを預けられるようになりました。
また、ポケムーバーを使うことで、ポケモンバンクを経由して、第5世代のポケモンを、X・Yへ送ることが可能となっています。
第七世代
前世代と同じく3DSでのソフトですが、アローラ地方を舞台にして、全く新しい冒険が始まります。また、同じ種類のポケモンでも、その地方特有の見た目である「リージョンフォーム」が登場しました。
前世代からの変更点
- リージョンフォームが追加。
- Zワザが追加。
- ひでんマシンが廃止。
- バトルロイヤルの追加。
- トリプルバトルとローテーションバトル、群れバトル、スカイバトルが廃止。
世代間の移動
前世代のポケモンは、ポケモンバンクから移動できます。また、3DSのバーチャルコンソール版の第1世代・第2世代から、ポケモンバンクを通じてポケモンを連れてくることができます。
第八世代
ニンテンドースイッチで発売されたソフトです。ソード・シールドがこの世代に該当します。
前世代からの変更点
- ダイマックス・キョダイマックス・マックスレイドバトルが追加。
- わざレコードの追加。
- 「なかよし度」が追加され、「なつき度」が「なかよし度」に統合。
- メガシンカ・Zワザが廃止。
- バトルロイヤルが廃止。
- 有料追加コンテンツ(エキスパンションパス)の配信。
世代間の移動
ポケモンHOMEを使って、ポケモンバンクのポケモンをソード・シールドに移動させることが可能です。
ポケモンHOMEについてはこちら

おわりに
一気に紹介したため、各世代の内容は少なくなってしまいましたが、通信技術の発達や時代とともに、まさしく『進化』してきたゲームだと思っています。
どのソフトにもプレイしていた時の思い出があり、こんなに同じシリーズのゲームをやるとは、最初に遊んだときは思ってもいませんでした。今後はどう進化してゆくのか、楽しみにしつつ、これからもポケモンを遊びつくしていきたいと思います。