『ポケットモンスター』シリーズでは、いくつかの作品ごとに世代で区切る考え方があります。(公式用語ではありません)
今回は、各世代の特徴や世代間のポケモンの移動について解説します。
ポケモンの世代の概要
ゲーム『ポケットモンスター』シリーズで「世代」というと、いくつかの作品ごとの区切りを指します。世代は発売時期の違いやゲームシステムが大きく変更された時点などで分けられています。
ポケモンの種類の増加
世代が進むとポケモンの種類が一気に増えます。単純に最初にもらえる3匹のポケモンが新しくなるのが世代の変わり目とも言えます。
対戦形式やタイプの追加
対戦面では、世代が変わると新しいバトル形式が取り入れられたり、新しいタイプが追加されたり既存ポケモンのタイプや能力が変更される場合があります。
世代間のポケモン移動
シリーズの多くでは旧世代の作品で捕まえたポケモンを新世代の作品に移動することが可能です。
これらの他にも様々な違いがありますが、この記事では大きな変化点のみ、主に後の世代でも採用されているものを重点的にまとめました。
世代ごとのソフト一覧
各ソフトと世代の関係は次の表のようになります。世代の下の数字はソフトの発売年です。
世代 | 本編ソフト | 対応ハード |
第1世代 1996~1998 |
赤・緑・青・ピカチュウ | ゲームボーイ |
第2世代 1999~2000 |
金・銀・クリスタル | ゲームボーイカラー |
第3世代 2002~2004 |
ルビー・サファイア・エメラルド・ ファイアレッド・リーフグリーン |
ゲームボーイアドバンス |
第4世代 2006~2009 |
ダイヤモンド・パール・プラチナ・ ハートゴールド・ソウルシルバー |
ニンテンドーDS |
第5世代 2010~2012 |
ブラック・ホワイト・ ブラック2・ホワイト2 |
|
第6世代 2013~2014 |
X・Y・ オメガルビー・アルファサファイア |
ニンテンドー3DS |
第7世代 2016~2018 |
サン・ムーン・ ウルトラサン・ウルトラムーン |
|
Let’s Go! ピカチュウ・ Let’s Go! イーブイ |
Nintendo Switch | |
第8世代 2019~2022 |
ソード・シールド・ 鎧の孤島・冠の雪原 |
|
ブリリアントダイヤモンド・ シャイニングパール |
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LEGENDSアルセウス | ||
第9世代 2022~2023 |
スカーレット・バイオレット・ 碧の仮面・藍の円盤 |
第1世代
第1世代のソフト
『赤・緑・青・ピカチュウ』が該当します。ゲームボーイ用ソフトとして発売されました。
様々なポケモンを集めて図鑑の完成を目指し、強いポケモンを育てて最強のトレーナーになるという目標は、その後のシリーズでも受け継がれています。
ニンテンドー3DSでVC(バーチャルコンソール)版が発売しており、ポケモンバンクを利用することで、VC版で捕まえたポケモンを後の世代(7世代以降)へ送ることができます。
※VC版のソフトやポケモンバンクのダウンロードは、2023年3月で終了しています。
通信機能
1人の相手とゲームボーイ同士を接続して、対戦や交換が可能です。今では無線通信が当たり前になっていますが、当時は通信ケーブルを使って通信していました。
第2世代
第2世代のソフト
『金・銀・クリスタル』が該当します。ゲームボーイカラーにハードが変わり、ポケモンに色が着きました。
前作の3年後が舞台であり、ジョウト地方を旅したのち、初代のカントー地方を冒険できるボリュームの大きさも魅力です。
また、クリスタル版以降のソフトでは、主人公の性別が選べるようになりました。
ニンテンドー3DSでVC(バーチャルコンソール)版が発売しており、ポケモンバンクを利用することで、VC版で捕まえたポケモンを後の世代(7世代以降)へ送ることができます。
※VC版のソフトやポケモンバンクのダウンロードは、2023年3月で終了しています。
前世代からの変更点
- 時間の概念やポケモンの「なつき度」が追加され、特殊な条件で進化するポケモンが登場。
- 色違いやポケモンの性別、タマゴが追加。
- ステータスの「とくしゅ」が「とくこう」「とくぼう」へ分離。
- タイプ相性が一部変更され、あくタイプ・はがねタイプが追加。
- ポケモンの「もちもの」が追加。
通信機能
第1世代と同じく、通信ケーブルを使って1人の相手と対戦や交換が可能です。
また、赤外線通信の「ふしぎなおくりもの」により、アイテムを受け取ることができます。
世代間の移動
第1世代とは互換性があり、通信交換によってポケモンを移動することができます。(第1世代に登場するポケモンのみ)
第3世代
第3世代のソフト
『ルビー・サファイア・エメラルド』『ファイアレッド・リーフグリーン』が該当します。
ハードがゲームボーイアドバンスになり、以前のシリーズとは互換性がありません。特性やダブルバトルの登場など、今に至るポケモンバトルの土台を作った世代です。
また、『ファイアレッド・リーフグリーン』は『赤・緑』のリメイク作品です。
前世代からの変更点
- ポケモンの性格、特性が追加。
- 2対2で戦うダブルバトルが追加。
通信機能
アドバンス専用の通信ケーブルでは、最大4台で通信が可能です。これにより、2対2でのマルチバトルも可能となりました。
接続プラグに1Pと2Pがあり、ケーブルの中央のコネクタに別のケーブルの1Pプラグを接続できます。
世代間の移動
前世代とは互換性がなく、ポケモンを移動することはできません。
第4世代
第4世代のソフト
『ダイヤモンド・パール・プラチナ』『ハートゴールド・ソウルシルバー』が該当します。
ニンテンドーDSでのソフトとなり、上下の2画面を使った遊び方ができるようになりました。
『ハートゴールド・ソウルシルバー』は『金・銀』のリメイク作品です。
前世代からの変更点
- これまでタイプ依存だった「ぶつり技」「とくしゅ技」が技ごとに決められた。
- フレンドコードを交換した人と、通信交換や対戦が可能。
- GTSにより、世界中の人と交換が可能。
通信機能
DSの無線通信機能により、ケーブルを介さず無線での対戦・交換ができるようになりました。
また、Wi-Fiコネクションを用いてのインターネット対戦もこの世代で初めて実現しました。
世代間の移動
ニンテンドーDSはゲームボーイアドバンス用のソフトも差せるようになっており、第3世代のソフトのポケモンをこちらに移動させる事が可能です。
ゲーム内では、パルパークという場所で使える機能です。
第5世代
第5世代のソフト
『ブラック・ホワイト』『ブラック2・ホワイト2』が該当します。
第4世代と同じくニンテンドーDS用のソフトですが、従来シリーズから大きな革新があり、初めてポケモンに触れる人でも楽しめる作りになっています。
『ブラック・ホワイト』では、殿堂入りするまでは過去作に登場したポケモンは登場せず、捕獲する事もできません。そのため、従来シリーズに慣れ親しんだプレイヤーも、手探り状態で新しいポケモンとの出会いを楽しめるようになっていました。
前世代からの変更点
- ポケモンのグラフィックが常時動くようになった。
- 隠れ特性が追加。
- わざマシンが何回でも使用可能になった。
- トリプルバトルとローテーションバトルが追加。
- ランダム通信対戦が可能になった。
- バトルボックスが追加。
隠れ特性とは?
隠れ特性とは、通常のプレイでは手に入らない珍しい特性のことです。
隠れ特性のポケモンを捕まえるためには、ポケモンドリームワールド(PDW)という、『ブラック・ホワイト』と連動しているウェブサイトでミニゲームをする必要がありました。
PDWを使うには『ブラック・ホワイト』のゲーム内でポケモンを寝かしつける必要があり、夢で出会える特性から、プレイヤーの間では夢特性と呼ばれました。
バトルボックスとは?
バトルボックスとは、対戦に使用するポケモンを預けることで、手持ちを入れ替えずに預けたポケモンで対戦を行える機能です。
通信機能
赤外線通信に対応し「すれちがい通信」が可能になりました。
また、Wi-Fi通信によって通信対戦のポケモンバトルにランダムマッチが導入され、この世代以降、世界中の人と対戦可能になりました。
世代間の移動
DSを2台使うことで、第4世代のポケモンを第5世代に移動することができます。ゲーム内では、ポケシフターという名前の機能です。
第6世代
第6世代のソフト
『X・Y』『オメガルビー・アルファサファイア』が該当します。
ニンテンドー3DS専用ソフトとなり、ゲーム画面も3Dになりました。『X・Y』はシリーズで初めて世界同時発売されたタイトルです。
『オメガルビー・アルファサファイア』は『ルビー・サファイア』のリメイク作品です。
前世代からの変更点
- ポケモンの鳴き声が変更された。
- ポケモンのグラフィックが3Dになった。
- ポケモンのニックネームが6文字まで可能になった。
- タイプ相性が一部変更され、フェアリータイプが追加。
- 一部のポケモンが、対戦中にメガシンカが可能になった。
- 群れバトル、スカイバトル、さかさバトルが追加。
世代間の移動
3DSのダウンロードソフトのポケモンバンクを使うことで、インターネット上の自分専用のボックスに、合計3000匹のポケモンを預けられるようになりました。
また、ポケムーバーを使うことで、ポケモンバンクを経由して第5世代のポケモンを『X・Y』へ送ることが可能となっています。
ポケムーバーは、ポケモンバンクをダウンロードすると追加でダウンロードできます。
第7世代
第7世代のソフト
『サン・ムーン』『ウルトラサン・ウルトラムーン』『Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』が該当します。
『サン・ムーン』『ウルトラサン・ウルトラムーン』は前世代と同じく3DSでのソフトですが、舞台はアローラ地方に移り、新たな物語が始まります。また、同じ種類のポケモンでもその地方特有の見た目である「リージョンフォーム」が登場しました。
前世代からの変更点
- リージョンフォームが追加。
- 一度の対戦中に1回だけ、Z技が使用可能。
- ひでんマシンが廃止。
- バトルロイヤルが追加(今作のみ)。
- トリプルバトル、ローテーションバトル、群れバトル、スカイバトルが廃止。
世代間の移動
前世代のポケモンは、ポケモンバンクから移動できます。
また、3DSのバーチャルコンソール版の第1世代・第2世代から、ポケモンバンクを通じてポケモンを連れてくることができます。
『Let’s Go! ピカチュウ/イーブイ』について
『Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』は、ニンテンドースイッチで発売された初のポケモンシリーズですが、他のシリーズと対戦や捕獲のシステムが大幅に異なります。
第8世代
第8世代のソフト
『ソード・シールド』『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』『LEGENDSアルセウス』がこの世代に該当します。いずれもニンテンドースイッチで発売されました。
『ソード・シールド』では、以下の点が前世代から変更されています。
前世代からの変更点
- 戦闘中に巨大化するダイマックスが可能になった。
- 一部のポケモンはキョダイマックスが追加。
- 4人で協力して戦うマックスレイドバトルが追加。
- わざレコードが追加。
- 「なかよし度」が追加され、「なつき度」が「なかよし度」に統合された。
- タマゴ技を後天的に習得可能になった。
- メガシンカ・Zワザが廃止。
- 前世代までに登場した一部のポケモンや技が登場しない。
- 有料追加コンテンツ(エキスパンションパス)の配信。
世代間の移動
ポケモンHOMEを使って、ポケモンバンクのポケモンを『ソード・シールド』に移動させることが可能です。
また、同じ世代の『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』や『レジェンズアルセウス』と相互にポケモンの移動が可能です。
第8世代のその他のソフト
『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』は『ダイヤモンド・パール』のリメイク作品です。また、『レジェンズアルセウス』はゲームの仕様が他と大きく異なるため、これらのソフトはここでは紹介を省きます。
第9世代
第9世代のソフト
『スカーレット・バイオレット』がこの世代に該当します。ニンテンドースイッチ用のソフトです。
シリーズ初のオープンワールドRPGとなっており、以下の3つの物語を好きな順番で進めることができます。
- 各地のジムを巡ってチャンピオンランクを目指す「チャンピオンロード」
- 珍しい食材を探す「レジェンドルート」
- 学校で問題視されている集団「スター団」に挑む「スターダスト★ストリート」
フィールドの移動ではコライドン、ミライドンに乗ることができ、物語を進めていくと水の上を進んだり、崖を登ったりすることも可能になります。
前世代からの変更点
- 戦闘中にポケモンのタイプが変化するテラスタルが可能になった。
- わざマシンマシンにより、わざマシンの作成が可能になった。
- わざマシンが使い捨てになった。
- 4人で協力して戦うテラレイドバトルが追加。
- 最大4人で通信して一緒に冒険ができるユニオンサークルが追加。
世代間の移動
ポケモンHOMEを使って、第8世代のソフトと相互にポケモンの移動が可能です。